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きらめきとひらめきを

冊子: TAD_TOHOKU AKIND DESIGN 2017 SUMMER_vol.1

TAD_TOHOKU AKIND DESIGN 2017 SUMMER_vol.1 は仙台市経済局と協同組合仙台卸商センターの協働事業「とうほくあきんどでざいん塾」によって、仙台市域の次代を担う中小企業経営陣やクリエイターに向けて発行されている冊子です。おもに公募により集まった仙台ゆかりの25 組のクリエイターが協働しデザインされています。

仙客万来 人をつなぎ場をつくる そして仙台の文化へ

スカイスターは特集企画「仙客万来(せんきゃくばんらい)人をつなぎ場をつくるそして仙台の文化へ」のデザインを担当いたしました。2名の仙 台商人にフォーカスし、仙台の“いま” を考察し商いと文化の創出と、そこに暮らす私たちとの接点を思案した企画です。〈企画導入文より〉特集 仙客万来 人をつなぎ場をつくるそして仙台の文化へ「多くの人が次から次へとやって来る仙台であり続けてほい」。そんな願いを込めて、私た ちはこの特集タイトルを決めた。実のところ、我々がそんなことを願わなくても仙台はにぎわっている。なにせ「東北を代表する100万都市」だ。 中心部にも郊外にも、大型商業施設が進出している。東北初をうたう出店も相次いでいる。そっちこっちで建設が進むマンションやホテル。東日本 大震災後、その勢いは衰えるどころか以前より加速した。そんな様子にあっけにとられる一方で、何かが置き去りにされているとの思いが拭えない。 それは「仙台の文化」と呼べるものを育み、維持する力ではないのか。私は2011年4 月、新聞社勤めのために離れていた故郷・仙台に戻ってきた。 被災地取材を続けるかたわら、急激に変化する仙台市中心部の姿を見て、胸にわだかまる思いがあった。一時のにぎわいではなく、多くの人が魅力 を感じてやって来る街であり続けるには、文化の厚みが必要ではないか。「れっきとした伊達の文化があるじゃないか。藩政時代からの産業だって ある。伊達政宗の生誕450 年の節目に何を言っているのか」。そんな反論が聞こえてきそうだ。あるいはこんな声もあるかもしれない。「七夕に青葉 まつり、定禅寺ストリートジャズフェスティバルだってある。市民が参加するイベントがどれだけあると思っているのか」と。しかし、そんな外見 の華々しさと文化の内実との隔たりが大きくなっている気がしてならない。中心部に古くからある商店街はかつての活気を失い、全国で展開する チェーン店が幅を利かせ、大にぎわいの仙台駅前には首都圏で目にする商業施設がひしめく。そこに「仙台の文化」、例えば「商人文化」を感じと れるだろうか。伊達文化の一つとして誇らしげに語られることも多い伝統工芸にしても、後継者不足や職人の高齢化に悩まされている。私の祖母の 実家も仙台箪笥を手がける家具屋だったが、何年も前に廃業を余儀なくされた。それでも、じっと目を凝らせば、今の仙台の文化を形づくり、次世 代に受け継ごうと地道な取り組みを続けている人たちがいる。

文化を育て 文化の厚みをつくり出すとは どんな営みなのか

〈企画導入文より〉この特集では、仙台でお笑い文化とジャズ文化を育む活動を続けている2人に光を当 てたい。この2人に共通するのは、人々が集い楽しむ「場」を創り出し、それを維持・発展させようという姿勢だ。さらに、それは仙台市中心部の まちづくりにもつながっている。人的ネットワークの構築に事業の継続と発展ー。落語とジャズ、いわゆる大衆文化を根付かせようとする2人の姿 を追っていると、図らずも地場の中小企業にも通ずる課題が浮かび上がる。文化を育て、文化の厚みをつくり出すとは、どんな営みなのか。お笑い とジャズに視点を捉えて切り込んでみたい。

仙台の“いま” を「とうほく」「あきんど」「でざいん」の3 つの言葉から紐解く

〈編著者:冊子案内より〉日本の地方都市・仙台。名実ともに東北の中心地であるこの街では、日々の会話の端々に「震災」が登場します。もともと仙台に住んでいた人、震災を契機に移り住んだ人、自分の意思とは関係なく住み着くことになった人もいるでしょう。そうした人々による、さまざまな人間模様があり、毎日の営みが今日も続いています。本誌は、そんな仙台の「いま」を、「とうほく」「あきんど」「でざいん」の3つの言葉から紐解き、「未来」を想像するために生まれました。1 号目となる今号では、とくに「あきんど」にフォーカスし、「縁の下」「水面下」「滲み出る」というキーワードで全体を構成しています。それは、多くの「商人」たちの思いや行動を物語る言葉だと考えたから。「仙台にいままで無かった新たな紙メディアをつくる」。そんな気概を持って出発した本誌は、おもに公募により集まった、仙台にゆかりのある協働クリエイターとともに制作を進めました。彼らのユニークな視点には、「いま」に向けた多くの問いが隠されています。その問いへの応答を実行するのは、読者のみなさん一人一人です。まずは、冊子をパラパラとめくり、気になるページからぜひ読み進めてみてください。

デザイン:伊藤典博+ 安保満香
文:平間真太郎
撮影:嵯峨倫寛、門傳一彦
協力:白津守康(株式会社BBI 代表取締役/落語芸術協会仙台事務所長)木村卓也(合資会社ウォーキン代表)
編著者:とうほくあきんどでざいん塾
発行人:仙台市経済局産業振興課|協同組合仙台卸商センター
印刷:今野印刷株式会社
2017 年8 月発行
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誌名:とうほく あきんど でざいん 2017 夏
仕様:B5 サイズ、全64 ページ
部数:2,000 部
無料配布(仙台市内中心)
内容:「あきんど」にフォーカスした記事で全体を構成
キーワード:縁の下・水面下・滲み出す
読者ターゲット:仙台市域の次代を担う中小企業経営陣+クリエイター