きらめきとひらめきを
見渡す限りの田んぼの中に一大卸業団地が誕生したのは1965 年のこと。2015 年、仙台市地下鉄東西線開通「卸町駅」誕生を控えた卸町は、仙台商人の集まるまち、ケヤキ並木と倉庫のまちから、訪れて楽しいまちに生まれ変わろうとしています。仙台卸商センターの倉庫や卸町会館の地下食堂街と最上階のホテルは、それぞれ「イベント倉庫・ハトの家」「音楽工房MOX」「クリエイティブ・オフィス・シェアリングTRUNK」に生まれ変わり、まち全体に新しさと懐かしさが同居しています。2002 年にオープンした「せんだい演劇工房10-BOX」は、仙台市と共に展開する演劇系の公共事業“劇都仙台” の拠点基地となり、震災を乗り越えて10-BOX 別館「能-BOX」も新たにオープンしました。“新生卸町” せんだい演劇工房10-BOX からお届けする多彩なイベントを、賑わいと魅力あふれるまちのイメージを想起したデザインを目指しました。
5 ヶ月間に渡るプロジェクトのイベント内容は“劇都仙台” に関わる催し、鑑賞イベント、参加型イベントがあり、東北にゆかりのある作品の公演や、舞台芸術が担う防災活動についてのシンポジウム、方言のアフレコ体験ワークショップ、舞台スタッフ・ラボ等々、20 以上の多彩な内容で構成されています。それらの内容をポップでカラフルなトーンで整合し、コラージュを用いた表現で賑わいの創出を目指したデザインとしました。またリーフレットは“ずらし折り”仕様とし開いた際の視覚的な展開効果に配慮しています。
裏面の多彩なイベント情報には10-BOX キャラクターを設定し、それぞれにナビゲーター役として配しました。キャラクターには「大道具のバラシ」「照明のピカリ」「音響のドレミ」「差し入れのサッシー」なそ、演劇にまつわる名称や用語をとりいれ、より楽しく情報を発信できるよう配慮しています。演劇を通したプログラムをより魅力的に“劇都仙台” を広くPR する発信要素になればと考えます。
印刷物にはさまざまな情報が含まれています。視覚的な情報は勿論のこと、紙の厚さやインクの発色、手触り質感、匂いまで。たくさんの情報がつまっています。デザインを通して発信する情報に相応しい印刷に配慮しています。印刷は仙台印刷団地内に構える今野印刷さまにご対応いただき、明度や彩度の調整、特色の発色、文字原稿の可読性等に配慮しています。(写真:印刷立会いより)
Poster, Leaflet 2014- AD: Norihiro Itoh D: Norihiro Itoh, Michika Anbo